年末調整 書き方マニュアル
毎年11月に会社から渡される3枚の年末調整書類。書き方を間違えると還付額が減ったり、追加徴収されたりします。本記事で各書類の記入例を丁寧に解説。
最終更新 2026-04-29解説記事 / 年末調整約6分で読めます
年末調整とは
会社員・パート(給与所得者)が、その年の所得税を正しく精算する手続き。年初に予想ベースで仮の月額源泉徴収をしていたものを、12月時点の確定数字(年収・控除)で計算し直します。
多くの場合は還付(戻ってくる)になり、12月分の給与に上乗せされます。生命保険料控除や iDeCo を多く支払っている人ほど還付額が大きくなります。逆に途中で扶養が外れた等の場合は追徴になることも。
書類は通常 3枚: ①扶養控除等申告書、②保険料控除申告書、③基礎控除・配偶者控除等申告書。住宅ローン2年目以降の人はもう1枚(住宅借入金等特別控除申告書)が追加されます。
①扶養控除等申告書の書き方
配偶者・子・親などの扶養親族の情報を記入。これが翌年1月以降の毎月の源泉徴収額を決めます。
記入のポイント
- ・源泉控除対象配偶者: 配偶者の年収95万円以下なら記入
- ・控除対象扶養親族: 16歳以上の家族で年収103万円以下
- ・16歳未満の扶養親族: 所得控除はないが住民税の非課税限度判定で必要
- ・障害者控除: 該当する家族がいれば必ず記入
- ・本人がひとり親・寡婦: 該当箇所にチェック
住所はマイナンバーカードと完全一致させること。マイナンバーは別添の身分証コピーと一緒に提出するケースが多いです。
②保険料控除申告書の書き方
生命保険・地震保険・小規模企業共済等掛金(iDeCo・小規模企業共済)・社会保険料を申告する書類。控除証明書(保険会社・iDeCo運営機関から10〜11月に郵送)を見ながら記入します。
- 生命保険料控除: 一般・介護医療・個人年金の3区分。各最大4万円(合計12万円)の所得控除
- 地震保険料控除: 最大5万円
- iDeCo: 「小規模企業共済等掛金控除」欄に年間拠出額を記入。掛金全額が所得控除
- 国民年金・国保: 年内に自分で支払った分があれば「社会保険料控除」欄に
控除証明書は原本を会社に提出(コピー不可の会社が多い)。提出後に保管したい場合は、提出前にスマホで撮影しておくと安心。
③基礎控除・配偶者控除等申告書
2020年から登場した3枚目の書類。本人と配偶者の所得を申告します。
- 本人の所得: 給与所得は「給与収入 − 給与所得控除」で計算。複数収入ある人は合計
- 配偶者の所得: 配偶者の給与年収を記入。48万円以下なら配偶者控除(所得38万)、48〜133万円なら配偶者特別控除(所得3〜38万)
- 所得金額調整控除: 給与年収850万円超で23歳未満の扶養家族 or 特別障害者がいる場合のみ記入
配偶者の年収を盛りすぎる/低くしすぎると控除額がズレるので正確に。源泉徴収票が手元にない時点(11月)では概算でOK。
提出する添付書類
- 生命保険料控除証明書(保険会社から10月頃郵送)
- 地震保険料控除証明書(保険証券に同梱されることも)
- iDeCo小規模企業共済等掛金払込証明書(11月頃郵送)
- 国民年金保険料控除証明書(日本年金機構から11月頃郵送)
- 住宅ローン残高証明書(2年目以降のみ)
- 住宅借入金等特別控除申告書(税務署から事前郵送)
紛失したら保険会社・銀行に再発行依頼。マイナポータル連携で電子取得できる場合もあります(事前設定が必要)。
よくある間違い
- 配偶者の年収予想を盛る: 年末に下振れしたら確定申告で訂正できますが、面倒なので11月時点で正確に
- iDeCoの掛金を社会保険料控除に書く: 正しくは「小規模企業共済等掛金控除」欄
- 医療費控除を申請してしまう: 医療費控除は年末調整では適用不可。確定申告で別途申請
- ふるさと納税を年末調整に含める: ワンストップ特例 or 確定申告でしか控除できません
- 控除証明書を出し忘れる: 翌年の確定申告で還付請求は可能だが、年末調整で済ませた方が楽