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成年後見制度 完全ガイド

認知症で親の判断能力が低下したとき、預金引出しや不動産売却ができなくなる「資産凍結」を防ぐ仕組み。

なぜ必要?「資産凍結」の現実

親が認知症になると、銀行は本人の意思確認ができないとして預金引出しを止めるケースが急増。介護費用が必要なのに親の口座から引き出せない、不動産売却もできない、という事態に。

家族でも代理引出しは原則できません。これを解決する制度が成年後見制度。

2つの種類

① 法定後見(事後対応)

判断能力が既に低下した後に家族が家庭裁判所に申立て。後見人を裁判所が選任(多くの場合、弁護士・司法書士などの専門職)。後見人の月額報酬2〜6万円がかかり続ける。

  • 3区分: 後見・保佐・補助(判断能力の程度で)
  • 申立て費用: 約10〜20万円
  • 月額報酬: 2〜6万円(一生続く)
  • 柔軟性低い: 不動産売却等は裁判所許可が必要

② 任意後見(事前準備)

判断能力があるうちに本人が信頼する人(配偶者・子等)と契約。判断能力低下時に発動。家族が後見人になれるのがメリット。任意後見監督人(弁護士等)の月額1〜3万円は発生。

  • 事前に契約(公正証書必須)
  • 契約費用: 公正証書作成料3〜10万円
  • 監督人の月額報酬: 1〜3万円
  • 家族が後見人になれて柔軟性高い

家族信託という選択肢

近年注目される代替手段。親が元気なうちに財産(主に不動産・預金)を子に「信託」、判断能力低下後も子が管理・処分できる。

  • 初期費用: 30〜100万円(司法書士費用+登記費用)
  • 月額費用: ゼロ(後見人の報酬不要)
  • 柔軟性: 高い(不動産処分・運用が自由)
  • 適用: 認知症リスクのある不動産持ち高齢者に最適

3制度の比較

項目法定後見任意後見家族信託
タイミング事後事前事前
初期費用10〜20万5〜15万30〜100万
月額費用2〜6万1〜3万なし
柔軟性
家族中心×

いつ動くべき?

親が60代〜70代前半のうちに家族信託 or 任意後見を準備するのが理想。70代後半・80代では認知能力の問題で契約できなくなることも。元気なうちに「もしものときは誰が財産を管理するか」を家族で話し合う機会を。

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