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親の口座管理 完全ガイド

認知症で親の意思能力が低下すると、銀行は 親本人ですら引き出せない「凍結」状態にします。子であっても代理権なしでは引き出せません。元気なうちに対策を打つのが家族の生活を守る最重要事項です。

最終更新 2026-05-20解説記事 / 介護7分で読めます

凍結リスクの実態

  • 凍結のきっかけ: 銀行窓口で本人と話して認知症が疑われた場合、または医療機関からの情報
  • 凍結後できないこと: 出金・振込・定期解約・投信売却・住宅売却資金の振込
  • 家族でもダメ: 印鑑・カード・暗証番号があっても、銀行が認知症を知れば凍結
  • 親の生活費が出せない: 介護施設費・医療費の支払いに支障
  • 2025 年に日本の認知症患者は 約 700 万人 (65 歳以上の 5 人に 1 人)

5 つの対策と比較

対策コスト手間柔軟性
代理人カード無料★ 簡単普段使い ◯
予約型代理人無料★★ 銀行で手続き凍結後も使える ◎
任意後見契約公正証書 1.5 万 + 監督人月 1〜3 万★★★ 公証役場法定後見より自由 ◎
家族信託 (民事信託)30〜100 万 (専門家)★★★★ 設計が複雑不動産含めて自由 ◎
法定後見 (凍結後)月 2〜6 万★★★ 家裁申立硬直 ×

※ 法定後見は「凍結後」しか使えず、後見人が家族と限らない (第三者の専門家がつく場合あり)。

代理人カード (一番簡単)

親の口座から子が ATM で引き出せる「代理人カード」を発行する方法。親が元気なうちに銀行で申請するだけで完了します。

  • 対象: 同居親族 (一部銀行は別居でも可)
  • 手続き: 親と一緒に銀行窓口、本人確認書類 (両者)
  • 引出限度: 1 日 50 万 (銀行による) — 大きな出費はカバー不可
  • 注意点: 親が認知症と判明したら銀行は代理人カードも止める
  • 毎月の生活費・医療費の日常的な引出に最適

任意後見・家族信託 (確実)

任意後見契約

  • 親が元気なうちに「後見人を子に頼む」と公正証書で契約
  • 親の判断能力低下後、家裁に「任意後見監督人」選任を申立
  • 選任後、子が後見人として親の財産管理
  • 監督人 (弁護士・司法書士) には月 1〜3 万円の報酬
  • 家庭裁判所の管理下なので不正は起こりにくい

家族信託 (民事信託)

  • 親 (委託者) が子 (受託者) に財産管理を信託
  • 不動産の売却・賃貸契約まで子が独自に判断可
  • 監督人不要・家裁関与なし → コスト最小
  • 初期費用 30〜100 万 (信託契約書作成・登記費用)
  • 不動産含め大きな財産を子が動かしたいなら最強

※ 任意後見は「親の生活全般を見る」、家族信託は「特定の財産を管理する」と用途が異なります。実家不動産がある家庭は家族信託が向きやすい。

凍結後にできる手続き

親が認知症発症 → 銀行が凍結した後は、選択肢が大幅に減ります:

  • 法定後見: 家裁に申立 → 後見人を選任 (家族 or 第三者) → 後見人が引出
  • 医療費・介護費のみの引出: 銀行によっては診断書 + 領収書で個別対応可
  • 後見人が第三者専門家 (弁護士・司法書士) になると、月 2〜6 万円の報酬発生
  • 法定後見は 解除困難 — 親が亡くなるまで継続

実行チェックリスト

  • 親と一緒に「代理人カード」を発行したか (主要口座から)
  • 親の全口座・証券口座を把握したか (エンディングノートに記録)
  • 親の意思 (財産管理・医療意思) を聞き取り済か
  • 不動産がある場合は家族信託を検討したか
  • 任意後見契約を公証役場で予約したか
  • 兄弟姉妹で財産管理の方針を共有したか (揉め事防止)

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