賞与(ボーナス)の税金・社保 完全ガイド
手取り率が65〜75%程度になることが多いボーナス。何がどれくらい引かれているのか、源泉徴収率はどう決まるのか、年末調整でどう精算されるのかを整理します。
最終更新 2026-05-03解説記事 / ボーナス約6分で読めます
ボーナスから引かれるものは
賞与の給与明細を見ると、額面と振込額の差は意外と大きいものです。引かれる項目は4つに分けられます:
- 健康保険料(個人負担 4.925%、協会けんぽ東京・令和8年度)
- 介護保険料(40〜64歳のみ、個人負担 0.81%)
- 厚生年金保険料(個人負担 9.15%、1回150万円が上限)
- 雇用保険料(一般事業 0.5%)
- 所得税(源泉徴収)(前月給与に応じた率)
- 復興特別所得税(所得税 × 2.1%)
住民税は引かれません(後述)。社保+所得税の合計でおおむね22〜35%が引かれ、手取り率は65〜78%程度になります。
所得税の源泉徴収はどう決まるか
賞与の所得税源泉徴収率は、前月の給与(社会保険料控除後)と扶養親族数から「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で決まります(2026年も同様)。
- 前月給与(社保控除後)が高いほど、賞与に適用される源泉徴収率が上がる
- 扶養親族数が多いほど、適用率は下がる
- 率は 0%・2.042%・4.084%・6.126%・8.168%・10.21% … 最大45.945%(復興特別含む)まで7段階以上
なぜ住民税は引かれないのか
住民税は前年の年間所得に対して計算され、翌年6月から12ヶ月の月割で給与天引き(特別徴収)されます。賞与に住民税を上乗せ徴収する仕組みは存在しません。
ただし、賞与の額は翌年の住民税の計算基礎には含まれます。「ボーナス時には住民税は引かれないが、翌年の毎月の住民税が増える」というのが正確な理解です。詳しくは 住民税の仕組み 完全解説 を参照。
退職月のボーナス取り扱い
- 月末退職: 退職月の保険料も徴収される(資格喪失日が翌月1日)。賞与にも社保が掛かる
- 月途中退職: 退職月の保険料は徴収されない(資格喪失日が当月)。賞与が同月支給なら社保が掛からないことも
- ボーナス支給後の即退職: 多くの会社で「賞与支給日に在籍していること」が条件。支給日前に退職届が受理されると不支給リスク
退職前後の手続き全体は 退職時の税金・年金・社保 完全フロー で時系列にまとめています。
ボーナスの賢い使い方
- 新NISAに振り向ける: 成長投資枠で年最大240万円を非課税運用
- iDeCoの年単位拠出: 賞与月にまとめて拠出して節税効果を最大化
- ふるさと納税の上限まで使い切る: 賞与込みの年収で限度額が変わる
- 住宅ローンの繰上返済: 控除残年数と投資リターンで損得を比較
- 生活防衛資金として6ヶ月分確保: 投資より先に確保すべし
社会保険料の計算(標準賞与額)
賞与の社会保険料は「標準賞与額」(賞与額の千円未満切り捨て)に料率を掛けて計算します。月給の標準報酬月額とは別の概念です。
健康保険料の上限
年度(4月〜翌3月)の標準賞与額の累計が 573万円 を超えた部分には保険料が掛かりません。年2回以上のボーナス支給で年間累計が高い人は要チェック。
厚生年金保険料の上限
1回の支給につき150万円が上限。賞与200万円でも厚生年金保険料は150万円ベースで計算されます。
雇用保険料は上限なしで賞与額に対し0.5%(一般事業の本人負担分)。