マネハブ > サクッと手取り > 解説記事 > 海外駐在員の年金
海外駐在員の年金 完全ガイド
海外赴任時の日本年金の継続加入・現地での年金加入・帰国後の通算受給・海外居住者への支給まで、海外駐在員の年金実務を網羅します。
最終更新 2026-05-20解説 / 海外駐在約6分で読めます
海外勤務者特例の仕組み
- 対象: 日本企業の正社員が海外現地法人・支店・取引先に派遣される場合
- 加入: 日本の厚生年金 + 健康保険を継続 (一時帰国扱い)
- 給与扱い: 海外給与でも日本の標準報酬月額に基づき算定
- 会社負担: 会社が日本側の社会保険料の半額を負担
- 申請: 派遣前に会社経由で年金事務所へ「海外勤務者の特例該当届」提出
社会保障協定 (二重加入回避)
日本と相手国の両方で年金加入義務がある場合、二重に保険料を払うことになります。これを避けるために、各国と「社会保障協定」を結んでいます。
- 主な締結国: 米国・ドイツ・英国・韓国・カナダ・フランス・スイス・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スウェーデン・ハンガリー・ルクセンブルク・フィリピン・スロバキア・中国 (一部分野)・フィンランド・イタリア (※ 中国は試行段階)
- 派遣期間 5 年以内: 日本の年金のみ加入 (現地年金免除)。延長申請で 3 年追加可
- 派遣期間 5 年超: 現地の年金加入が原則
- 通算協定: 両国の加入期間を合算して受給資格を満たす制度。日本だけでは 10 年未満で年金受給不可だが、合算で 10 年超なら両国から受給可能
海外で日本年金を受給する方法
- 住所変更届: 出国前に「年金受給権者住所・支払機関変更届」を年金事務所に提出
- 現況届: 毎年 1 回、生存確認のための届出 (英語版あり)
- 受給通貨: 円貨で海外口座に送金 (国によっては現地通貨も可)
- 課税: 日本で源泉徴収 20.42% + 現地でも課税の可能性。租税契約により減免
- 確定申告: 海外居住者は日本の確定申告は原則不要 (源泉徴収完結)
よくある質問
- Q. 海外駐在中の年金加入はどうなる?
- 「海外勤務者特例」で日本の厚生年金を継続加入できる (一時帰国扱い)。会社が一部費用負担。社会保障協定締結国 (米国・ドイツ・韓国・英国等 25 ヶ国超) では二重加入を回避。
- Q. 社会保障協定締結国で勤務する場合は?
- 派遣期間 5 年以内: 日本の年金のみ加入 (現地年金免除)。5 年超: 現地の年金加入が原則だが、申請で延長可能。社保協定は両国の合算受給を可能にする「通算協定」も含む。
- Q. 海外で受け取る日本の年金は課税される?
- 日本の年金は日本で課税されるのが原則 (源泉徴収 20.42%)。海外居住者は日本との租税契約により減免される場合あり。現地でも課税される場合は外国税額控除を申請。
- Q. 海外で支払った年金保険料は日本で社会保険料控除の対象?
- 原則として日本の社会保険料控除の対象外。ただし社会保障協定締結国で「日本の保険料として認められる」場合は控除可能。確認は税理士または年金事務所に。