遺族年金 完全ガイド
配偶者・親を亡くした遺族が受給する公的年金。遺族基礎年金 + 遺族厚生年金の 2 階建てで、子持ち世帯なら月 10〜20 万円超の終身給付になる重要なセーフティーネット。
最終更新 2026-05-20解説記事 / 年金約7分で読めます
遺族基礎 vs 遺族厚生 — 2 つの制度
| 観点 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
|---|---|---|
| 対象 (亡くなった人) | 国民年金加入者 | 厚生年金加入者・受給者 |
| 受給者 | 子のいる配偶者・子 | 配偶者・子・父母・孫・祖父母 |
| 受給期間 | 子が 18 歳到達まで | 原則終身 (再婚で消失) |
| 金額の計算 | 定額 (子の数で加算) | 亡くなった人の厚年の 3/4 |
※ 厚生年金加入者の死亡時は 両方とも受給可能 (2 階建て)。国民年金のみの自営業者死亡時は遺族基礎のみ。
受給額の試算 (2026 年度)
遺族基礎年金
- 基本額: 年 831,400 円 (子 1 人の妻)
- 子 1 人加算: + 239,300 円
- 子 2 人加算: + 478,600 円
- 第 3 子以降加算: + 79,800 円/人
- 例: 妻 + 子 2 人 → 831,400 + 478,600 = 月 約 11 万円
遺族厚生年金 (亡くなった夫の年収 600 万・加入 25 年想定)
- 亡夫の老齢厚生年金月額 (見込み): 約 8 万円
- 遺族厚生年金: 8 万 × 3/4 = 月 約 6 万円
- 子持ちの場合: 遺族基礎 11 万 + 遺族厚生 6 万 = 月 17 万円
- 子が 18 歳到達後: 遺族基礎は停止 → 遺族厚生 6 万 + 中高齢寡婦加算 5 万 = 月 11 万円
受給要件
遺族基礎年金
- 亡くなった人が 国民年金加入中 or 加入歴 25 年以上
- 亡くなった人の保険料納付期間が加入期間の 2/3 以上に達している
- 受給者 (配偶者) は子と 同居・生計同一 + 年収 850 万円未満
- 子: 18 歳到達後の最初の 3/31 まで or 障害 1〜2 級の 20 歳未満
遺族厚生年金
- 亡くなった人が 厚生年金加入中 or 老齢厚生年金受給権者
- 納付要件は基礎年金と同じ
- 受給者の年収 850 万円未満
- 30 歳未満の子なし妻は 5 年限定支給 (それ以外は原則終身)
中高齢寡婦加算と経過的加算
- 中高齢寡婦加算: 40〜65 歳の子なし妻 (or 子が 18 歳到達後の妻) に 年 約 62 万円加算
- 経過的寡婦加算: 1956 年 4 月 1 日以前生まれの妻が 65 歳到達後も継続的に加算 (年 1.5〜62 万)
- 夫の厚生年金加入期間が 20 年以上が要件
- 妻が老齢年金を受給開始すると停止
自分の年金との併給調整
妻が 65 歳以上で自分の年金も受給する場合、3 つの選択肢から有利なものが自動選択されます:
- 遺族厚生年金 のみ
- 自分の老齢厚生年金 のみ
- 遺族厚生年金 × 2/3 + 自分の老齢厚生年金 × 1/2
通常は ③ の併用が最も多いが、ケースにより ① や ② が高額になる場合あり。年金事務所での試算が必須。
申請チェックリスト
- 死亡から 5 年以内に申請したか (時効注意)
- 戸籍謄本・住民票・年金手帳・死亡診断書を準備したか
- 遺族基礎・遺族厚生どちらの対象かを年金事務所で確認したか
- 受給者本人の年収が 850 万円未満であるか
- 子の年齢・障害状況の証明書を用意したか
- 未支給年金 (亡くなった月分まで) の請求も同時にしたか