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生前贈与の節税テクニック 10 選
相続税の節税対策の王道は「生前贈与」。年間 110 万円の暦年贈与だけでなく、教育資金 1,500 万・住宅資金 1,000 万・結婚資金 1,000 万の特例まで、合法的に使える 10 のテクニックを実例で解説。
なぜ生前贈与か
相続税は資産規模が大きいほど累進的に重くなります(最高 55%)。生前贈与で計画的に資産を移転すれば、税率の低い帯で多額を移せます。例: 1 億円の資産を 10 年で 1,000 万 ×10 回贈与すると、相続税最高 30% 帯が暦年贈与の 10〜15% 帯になり、税負担が大幅減。
1. 暦年贈与(年 110 万)
1 月 1 日〜12 月 31 日の 1 年間に受け取った財産の合計が 110 万円以下なら贈与税ゼロ・申告不要。これを 家族全員 × 長期 で実施するのが基本戦略。
- 子 2 人 + 孫 4 人 = 6 人に年 110 万ずつ = 年 660 万を非課税で移転
- 10 年継続で 6,600 万円の資産移転が完了
- 相続開始前 7 年以内の贈与は相続税の計算対象に戻されるので、できるだけ早く開始
2-7. 特例制度を使う
2. 教育資金の一括贈与(最大 1,500 万円・孫一人)
30 歳未満の孫・子に教育費として一括贈与。塾・予備校・留学費用まで対象。金融機関で専用口座開設が必要。30 歳までに使い切らない残額は贈与税対象。
3. 結婚・子育て資金の一括贈与(最大 1,000 万円)
18〜50 歳の子・孫へ結婚式費用・出産費用・育児費用として贈与。50 歳までに使い切らない残額は贈与税対象。
4. 住宅取得等資金の贈与(最大 1,000 万円)
18 歳以上の子・孫へ住宅取得・新築・増改築の資金として贈与。省エネ住宅は 1,000 万、その他 500 万。期限あり(2026 年末まで延長予定)。
5. 配偶者間贈与の特例(最大 2,000 万円)
婚姻 20 年以上の夫婦間で居住用不動産 or 取得資金 2,000 万円までを非課税で贈与。1 回限り。
6. 相続時精算課税(特別控除 2,500 万円)
60 歳以上の親 → 18 歳以上の子・孫への贈与で選択可。生涯 2,500 万円までは贈与税ゼロ(ただし相続時に加算)。値上がり期待資産の早期移転に有効。
7. 障害者への信託(最大 6,000 万円)
特定障害者扶養信託契約。重度心身障害者は 6,000 万、それ以外の特定障害者は 3,000 万まで非課税。
8-10. 設計上の工夫
8. 贈与契約書の作成
口約束だと「名義預金」と認定されて相続財産扱いに。毎年贈与契約書を作成・印鑑捺印・贈与税申告(110 万超なら)を実施。
9. 受贈者の口座で管理
受贈者本人が口座を管理・通帳印鑑を保有。親が代行管理すると「名義預金」扱いに。
10. 値上がり期待資産の早期移転
成長中の自社株式・将来開発が期待される土地は、評価額が低いうちに贈与で移転。相続時の評価額上昇分は受贈者に帰属。
落とし穴と注意点
- 連年贈与の認定リスク: 「10 年で 1,100 万を移転する契約」と認定されると初年度に一括課税。毎年金額・タイミングを変える
- 名義預金: 受贈者が存在を知らない・通帳印鑑を持っていないと相続財産扱い
- 相続開始前 7 年以内ルール: 死亡前 7 年の暦年贈与は相続税に加算(2024 年以前は 3 年)
- 定期贈与の宣言: 「毎年 100 万を 10 年間あげる」と最初に決めると、初年度に 1,000 万の一括贈与とみなされる