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贈与税の特例 完全集約ガイド (2026 年版)
日本の贈与税制度には 7 つの非課税枠があります。2024 年の暦年贈与 7 年持戻し ・ 相続時精算課税の 110 万円基礎控除追加など、最新改正を踏まえて一覧整理。
最終更新 2026-05-20解説記事 / 贈与約8分で読めます
7 つの非課税枠一覧 (2026 年現在)
| 制度 | 非課税枠 | 関係 | 期限 |
|---|---|---|---|
| ① 暦年贈与 | 年 110 万 | 誰でも | 恒久 |
| ② 配偶者控除 | 2,000 万 (1 回) | 婚姻 20 年以上 | 恒久 |
| ③ 住宅取得資金 | 省エネ 1,000 万 / 一般 500 万 | 直系尊属 → 子孫 | 2026/12/31 |
| ④ 教育資金一括 | 1,500 万 (うち学校外 500 万) | 直系尊属 → 30 歳未満 | 2026/3/31 (延長予定) |
| ⑤ 結婚 ・ 子育て一括 | 1,000 万 (うち結婚 300 万) | 直系尊属 → 50 歳未満 | 2025/3/31 (延長予定) |
| ⑥ 相続時精算課税 | 累計 2,500 万 + 年 110 万 | 60 歳以上 → 18 歳以上の子孫 | 恒久 |
| ⑦ 障害者扶養信託 | 特定 6,000 万 / 一般 3,000 万 | 特定障害者の親族 | 恒久 |
① 暦年贈与 (年 110 万)
- 基礎控除: 受贈者 1 人につき年 110 万円
- 対象: 誰から誰へでも (親族外でも可)
- 用途: 制限なし
- 2024 年改正: 死亡前 7 年間の贈与は相続財産に持戻し (旧 3 年 → 7 年へ拡張 ・ 移行措置あり)
- 手続き: 110 万円以下なら申告不要 (証拠書類は保存推奨)
② 配偶者控除 ・ 居住用不動産 (2,000 万)
- 枠: 居住用不動産 or 取得資金の 2,000 万円まで非課税 (110 万円基礎控除と併用で 2,110 万円)
- 要件: 婚姻期間 20 年以上
- 対象: 自宅不動産 or 自宅取得用の資金
- 入居要件: 贈与翌年 3/15 までに入居 + 引き続き居住
- 1 回限定: 同一配偶者間で生涯 1 回 (再婚は別カウント)
- 7 年持戻しの例外: この特例分は相続財産加算の対象外
※ 不動産取得税 ・ 登録免許税は別途課税。
③ 住宅取得資金贈与 (最大 1,000 万)
- 省エネ等住宅: 1,000 万円 / 一般住宅: 500 万円
- 受贈者: 18 歳以上 ・ 合計所得 2,000 万円以下
- 家屋要件: 床面積 40〜240㎡ ・ 1982 年以降築 (新耐震)
- 期限: 2026 年 12 月 31 日まで
- 申告: 翌年 2/1〜3/15 (非課税でも申告必須)
④ 教育資金一括贈与 (1,500 万)
- 枠: 学校等 1,500 万 (うち学校外 500 万)
- 受贈者: 30 歳未満 (直系卑属)
- 期限: 2026 年 3 月 31 日まで (延長見込み)
- 前提: 信託銀行等で教育資金管理契約
- 2023 年改正: 贈与者死亡時の残額は相続財産加算 (受贈者 23 歳未満等の例外あり)
⑤ 結婚 ・ 子育て資金 一括贈与 (1,000 万)
- 枠: 1,000 万 (うち結婚資金 300 万)
- 受贈者: 18 歳以上 50 歳未満 (直系卑属)
- 用途: 結婚式 ・ 新居家賃 (3 年分) ・ 不妊治療 ・ 出産 ・ 育児 ・ 保育園
- 期限: 2025 年 3 月 31 日まで (延長見込み)
- 前提: 信託銀行等で管理契約
⑥ 相続時精算課税 (累計 2,500 万 + 年 110 万)
- 枠: 累計 2,500 万 + 年 110 万円基礎控除 (2024 年改正で追加)
- 対象: 60 歳以上 → 18 歳以上の子 ・ 孫
- 税率: 2,500 万円超の部分に 20% (一律)
- 相続時: 贈与額が相続財産に加算 (持戻し)
- 2024 年改正の妙: 年 110 万円分は相続持戻しの対象外に変更 (暦年贈与より有利な側面)
- 不可逆: 一度選択するとその贈与者には暦年贈与に戻れない
⑦ 特定障害者扶養信託 (6,000 万)
- 特定障害者 (重度): 6,000 万円まで非課税
- 一般障害者: 3,000 万円まで
- 用途: 障害者の生活 ・ 医療 ・ 介護費用 (信託銀行が定期支給)
- 親亡き後の障害者の生活費を確保する重要制度
- 前提: 信託銀行等での特別障害者扶養信託契約 + 税務署届出
併用パターンと最大化
複数の非課税枠を組み合わせると、1 年で大規模な贈与が可能になります。
パターン A: 結婚した子に住宅 + 結婚資金
- 暦年贈与: 110 万
- 住宅取得資金 (省エネ): 1,000 万
- 結婚資金一括: 300 万 (結婚枠)
- 合計 1,410 万円を 1 年で非課税移転
パターン B: 配偶者へ自宅 + 教育費
- 配偶者控除: 2,000 万 (自宅)
- 暦年贈与: 110 万 (配偶者へ)
- 教育資金一括 (孫へ): 1,500 万
- 合計 3,610 万円を 1 年で非課税移転
パターン C: 大規模相続税対策 (資産 2 億円)
- 暦年贈与: 子 2 人 × 孫 4 人 × 年 110 万 = 660 万/年 × 15 年 = 9,900 万
- 教育資金一括: 孫 4 人 × 1,500 万 = 6,000 万 (一括)
- 住宅取得資金: 子 2 人 × 1,000 万 = 2,000 万
- 合計 1.79 億円を 15 年で非課税移転 → 相続税対策成功
活用前チェックリスト
- 家族の相続税試算 (基礎控除超か) を実施
- 子 ・ 孫の年齢 ・ 状況 (進学 ・ 結婚 ・ 住宅購入) を把握
- 各特例の期限 (2026 年末等) を意識
- 贈与契約書 ・ 銀行振込で証拠を残す
- 翌年 2-3 月の贈与税申告期限を計画
- 暦年贈与の 7 年持戻しを意識して早期開始
- 相続時精算課税の選択は不可逆 ・ 慎重に