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退職後の税金 完全ガイド (2026 年版)
退職した翌年が一番税金で困る、と言われます。前年所得ベースの住民税 ・ 国保 ・ 年金 ・ 確定申告が初めて自分でやることに。年齢別の税金構造を整理します。
最終更新 2026-05-21解説記事 / 退職約7分で読めます
退職後の税金の全体像
- 退職金: 退職所得控除 + 1/2 課税 + 分離課税で大幅軽減
- 公的年金: 雑所得扱い + 公的年金等控除あり
- 住民税: 前年所得ベース → 退職翌年が最大
- 国民健康保険: 前年所得ベース → 同上
- 介護保険料: 40 歳から発生 ・ 65 歳から年金天引き
- 所得税 ・ 復興税: 年金 + 他所得から計算
退職年の特殊事情
退職した年と翌年は、特に税金面で要注意:
- 退職金: 退職所得受給申告書を会社に提出すれば源泉徴収で完結 (未提出だと 20.42% 源泉のみ → 確定申告で還付)
- 退職年の確定申告: 年末調整未実施 → 自分で確定申告 (還付の可能性大)
- 健康保険: 任意継続 (2 年) or 国保 を 14 日以内に選択
- 国民年金: 60 歳まで強制加入。任意加入で 65 歳まで継続可
- 退職翌年の住民税: 前年高所得ベース → 一時的に重い。退職金で前納するのが現金繰り上楽
- 失業給付: 非課税 (税金 ・ 国保算定にも含めない)
公的年金等控除 (年齢別)
| 年齢 | 年金収入 (年) | 公的年金等控除 |
|---|---|---|
| 65 歳未満 | 130 万まで | 60 万円 |
| 65 歳未満 | 130-410 万 | 75% - 27.5 万 (最低 60 万) |
| 65 歳未満 | 410-770 万 | 85% - 68.5 万 |
| 65 歳以上 | 330 万まで | 110 万円 |
| 65 歳以上 | 330-410 万 | 75% - 27.5 万 (最低 110 万) |
| 65 歳以上 | 410-770 万 | 85% - 68.5 万 |
※ 65 歳から控除額大幅増加。年金 158 万 (110 + 48 基礎控除) まで所得税ゼロ。
65 歳まで (60-64 歳)
- 公的年金: 通常は受給開始前 (繰上げで 60 歳から受給可だが減額)
- 特別支給の老齢厚生年金: 該当者のみ 60-64 歳で支給
- 健康保険: 任意継続 (2 年) → 国保 へ移行
- 国民年金: 60 歳で強制加入終了 ・ 任意加入で満額化検討
- 退職金 ・ iDeCo の受取: 60 歳で iDeCo 受取 → 5 年経過後 65 歳で退職金が王道
65 歳〜74 歳
- 公的年金受給開始: 標準は 65 歳・繰上げ (60-64 歳・減額) or 繰下げ (66-75 歳・増額) を選択
- 公的年金等控除 110 万 + 基礎控除 48 万 = 158 万まで非課税
- 国民健康保険: 引き続き加入
- 介護保険料: 年金天引きに切替 (65 歳の月から)
- 在職老齢年金: 働き続けて月給 + 厚年 50 万超なら一部停止
- 確定申告: 公的年金 400 万以下 + 他所得 20 万以下なら不要 (源泉徴収のみ)
75 歳以降
- 後期高齢者医療制度: 75 歳到達月から国保 ・ 任意継続から自動移行
- 医療費自己負担: 1 割 (現役並み所得者は 2-3 割)
- 保険料: 所得割 + 均等割 (前年所得ベース) ・ 年金から天引
- iDeCo の強制受給: 75 歳で繰下げ上限 → 受給開始必須
- 介護保険サービス: 要介護認定で 1 割負担で利用可
- 相続準備: 75 歳以降は相続準備 (遺言書 ・ エンディングノート) を最優先に
確定申告の要否
『公的年金等所得者の申告不要制度』により、以下を満たすなら確定申告不要:
- 公的年金等の収入が 年 400 万円以下
- 公的年金等以外の所得が 年 20 万円以下
- 両方を満たせば源泉徴収のみで完結
退職前後チェックリスト
- 退職金の受取方法 (一時金 / 年金 / 併用) を決定
- 退職所得受給申告書を会社に提出
- 健康保険の選択 (任意継続 ・ 国保) を 14 日以内に
- 退職翌年の住民税 ・ 国保のための現金を確保
- iDeCo の受取タイミング (60 歳 一時金推奨)
- 65 歳の年金受給開始の手続き
- iDeCo + 退職金の重複適用ルール (19 年 / 5 年) を試算
- 遺言書 ・ エンディングノートの準備